高専賃について
昨年後半から高齢者専用賃貸住宅やグループリビングといった比較的新しい高齢者の住まいに接することが増えました。これらは少しわかりにくいのですが定義が緩やかなものから列挙すると、比較的元気な高齢者が共同生活をする場としての「グループリビング」、高齢者の入居を拒まない「高齢者円滑入居賃貸住宅(高円賃)」、高円賃のうち専ら高齢者を賃借人とする「高齢者専用賃貸住宅(高専賃)」、高専賃のうち厚生労働大臣が定める基準に適合するものとして都道府県知事に届けられている「適合高齢者専用賃貸住宅」となります。適合高齢者専用賃貸住宅となると有料老人ホームと同様に介護保険法上の「特定施設」として指定を受けることが昨年4月よりできるようになりました。この「特定施設」は従来の有料老人ホーム等を対象とした「包括型」のみでしたが、高専賃を想定して「外部サービス型」がやはり昨年4月に創設されました。「包括型」は施設が利用者を丸抱えして全ての介護サービスの提供をしていたのに対し、「外部サービス型」は生活相談や特定施設サービス、安否確認や緊急時対応は施設が利用者に対して行うがその他の介護サービスは外部の事業所が行うというものです。
さて、この高専賃ですが福祉施設なのでしょうか。高専賃の法的根拠は「高齢者の居住の安定確保に関する法律」であり、国交省が創設した考え方です。適合高齢者専用賃貸住宅として介護保険法に定義はされていますが例えば老人福祉法にはありません。建築基準法にも高専賃の定義はないので私が関わった範囲では実務上取り扱いが微妙になっていました。まず高専賃を「包括型」としたならば従来の有料老人ホームと基本的に同義となります。この結果、有料老人ホームとしての規制を受けることになるでしょう。問題は「外部サービス型」とした場合です。有料老人ホーム、共同住宅、寄宿舎といった建築基準法上の用途が考えられますが、建物の形状やサービスの提供方法によりその用途は確定します。ちなみに認知症高齢者グループホームは寄宿舎とみなされることが多いようですが、高専賃はどれになるか蓋を開けないとわからないので事業計画を考える上で例えば共同住宅なら廊下面積を容積率に参入しないが駐車場設置の条例に引っかかるとか乗り越えなければならない悩ましい問題が結構あります。車を運転しない高齢者ばかりの共同住宅に駐車場を必要以上に設置しなければならないなんてのは可笑しな話ですよね。
新たな高齢者の住まいとして、有料老人ホームと異なり気軽に転居もできる、なかには学研ココファンの「ココファンレイクヒルズ」のような終身建物賃貸借を売りにした(といっても終身はリスクが大きいと尻込みする事業者は多いのですが・・)高専賃がこれからも当面は増えていくことでしょう。事業者としてあまりメリットを感じていない(と思われる)特定施設の指定を受けなければその建設に厚労省等の規制がない(恐らく共同住宅か寄宿舎として扱われるので・・)現時点では新たなるシルバービジネス市場として多様な業者の参入が見込まれます。ただ、利用者としてはグループリビングなのか、介護サービスはどうなのか、事業者は長期に安定した事業が行えるのかetcといった見極めが重要となります。介護が必要になったときに事業者が高専賃辞めたと言われないようにしっかりと契約内容を確認することが大切です。
・・・高専賃等の制度の開設や登録された情報等は財団法人高齢者住宅財団のホームページにてご確認ください。また、以上の内容は私が関わった範囲の情報ですので、最近法律が変わったよとか、私の地域ではこうだよといった情報があればお教えいただけると助かりますm(__)m
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